メディア学部メディア学科の三上義一教授の新刊『Social Transformations in India, Myanmar, and Thailand: Volume II Identity and Grassroots for Democratic Progress』(Palgrave Macmillan, 2022) が刊行されました。(英文ハードカバー、電子書籍Kindle版、アマゾンで購入可)
本書はロシアがウクライナに侵攻する中、アジア、殊にミャンマー、インド、タイの3国における国家暴力などによる社会変革(ソーシャル・トランスフォーメーション)についての論考です。近年、コロナウィルスなどの影響でその激しさと速さを増す社会変動を多角的に論じています。三上教授が執筆したのは第1章『Challenges Facing India, Myanmar and Thailand: The Future of Democratic Progress』(共著)です。
ここ数年、日本ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)の必要性が強調されてきましたが、デジタルだけでなく広い意味での社会のソーシャル・トランスフォーメーションが論じられるべきという考えの下、本書では専門分野が異なる研究者たちがこのアジア3国の社会変化について論考を深めています。
ミャンマーでは2021年2月軍事クーデターが起こり、総選挙で圧勝した与党の国民民主連盟(NLD)の議員や関係者たち、そして外務大臣兼国家顧問のアウンサンスーチー氏が拘束され(2022年3月現在も拘束中)、市民への弾圧が続き約1500人以上が死亡、ロシアのウクライナ侵攻でも見られたような力と暴力による現状変更が強行されています。アジアだけではなく、世界各国で大きな戦争や社会変革が起きていて、本書の研究はこれからの世界動向を考える上で意義深いものだといえるでしょう。
同書の『Volume I』は2021年にすでに刊行され、三上教授は『Press Freedom Under the Government of Aung San Suu Kyi: The First 5 Years』を著しています。2016年に政権を奪取したアウンサンスーチーとNLD政権下における報道の自由(ないしは報道の不自由・規制)を論じたものです。(https://www.mejirom.jp/news/?p=3864)
他にも、三上教授の著書『アウンサンスーチー 囚われの孔雀』(講談社文庫)が2021年に電子書籍化されています。(https://www.mejirom.jp/news/?p=4389)