勝野ゼミは3/9-10 東京大学大学院情報学環・福武ホールで行われたINSTeM Convention 2024 Spring 「大人のためのリテラシー:これからの知恵と技法を考える」にメタバース体験ブースを出展しました。

なりたい自分になれる

 勝野ゼミでは、メタバース=仮想空間の可能性を探求するために、バーチャル美少女ねむ『メタバース進化論』を輪読し、メタバースの基本的な知識を学ぶ事からはじめました。東京ジョイポリス「ZERO LATENCY VR」では、全身を動かすVR体験を楽しみました。そして、メタバースでのより深い没入感を求めて、VRゴーグル:メタクエストを利用して実際にメタバースの世界に足を踏み入れました。
 私たちは、さまざまなアバターに姿を変えてメタバース内のワールドを体験し、ゲームやコミュニケーションを行いました。この体験からメタバースの中で望む自分を実現する機会を見つけ出し「なりたい自分になれる」というキーワードを発見することができました。
 この経験から今回のブースでは、「VRChat」アプリを利用して私たち同様にさまざまなワールドを訪問する体験を提供しました。
 メタバース体験と聞くと難しい気がしますが、メタクエストはゲーム機の延長線上で操作することが可能です。多くの人が5〜10分でメタバースの世界を体験することができました。

VR体験者の感想

  • 「VRの体験前後で、VRの印象に変化はあったか?」
     →参加者4名中3名が「著しく変化した」と回答し、良くも悪くも体験前後で大きなギャップがあったことがわかりました。
  • 「複数のアバターと一緒に参加したいか?」
     →「現実世界の人間関係に疲れているので、バーチャル空間では1人で過ごしたい。あえて複数の人と交流する必要はない。現実から逃避したい気持ちがある」(60代男性)
     メタバースでの交流による感動を共有したいと思っていましたが、「メタバースでは1人で過ごしたい」という意見から、1人の時間も大切にすることが重要だと新たに気づきました。
  • 「操作の難しさ」
     →「何をするにも誰かに教わらないとできない。もっと直感的にできれば良くなると思う。まだまだ発展の余地がある」(60代男性)
     →「初めての体験だったので高度なことまでできることに驚いたが、操作は難しかった」(20代女性)
     →「メタバース体験は実際にやってもらわなければ始まらない」(50代男性)

 操作の難しさや「何をするにも誰かに教わらないとできない」という意見が多く寄せられました。手軽に始める機会の不足が課題であり、専門のインストラクターや体験ブースの増加が必要です。また、「慣れれば高度なことまでできる」という意見から、必要な練度の研究も進めるべきだと感じました。

メタバース体験とリテラシー

 「大人のリテラシー」というテーマからメタバースの課題は「体験不足」だと考えました。メタバースという言葉を知っていても、実際に体験した人は少ないのです。そして、実際にメタクエストを装着してみると、新たな発見と改善すべき点(重量、操作性、VR酔いなど)に気づきます。
 体験者の「実際にやってみなければわからない」という声を聞き、体験の機会を増やす重要性を感じました。「ギャップを感じた」という感想もあり、初めは戸惑いながらもメタバースを体験することで新しい知識が得られ、思い通りに動けるようになるとリテラシーが向上したと実感できました。
 これまで外部で発表する機会が少なく、他のブースの発表を見て、私たちの体験ブースはまだ改善点があることに気づきました。参加した私たちにもメタバースのリテラシーが培われ、成長を実感したイベントになりました。

(勝野ゼミ2期生 高橋香月、鳥海楓、堀越一馬、藤森浩太、山下颯馬)

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