情報科学や人工知能などを専門とする顧先生に、ご自身の研究内容やこの記事を読んでいるアナタヘのメッセージを伺いました。

普段どんな研究を行っていますか?

モノのインターネット(Internet-of-Things:IoT)という言葉を聞いたことがありますか?

簡単に言うと、家電や車のようなさまざまなモノ(物)がネットワークに接続することで、今までできなかった新しいサービスを実現したりするというコンセプトのことです。実は現在、工場などの生産機械やビルの設備を中心に、生活する上で直接見えないけれども生活を支えている”モノ”が爆発的に増えています。さらに、Intelによれば、地球上のモノの総数は2020年には500億個以上となると予想されています。皆さんも身の回りのモノをスマホで操作できたり、話せるスピーカーがテレビや照明を操作したり、スマホと自動販売機がつながったりなど、社会の変化を実感できているのではないでしょうか?

このIoTというコンセプトを実現するためには、さまざまな種類のたくさんのデータを扱う仕組みが必要です。そして、そのたくさんのデータを使って、ユーザが欲しいと思ったサービスを意識させずに提供する必要が有るのではないか? と私は考えています。

そこで私は、ユーザからの指示がなくとも、自律して仕事を行ってくれるエージェントという人工知能(AI)の1つの仕組みを使って、IoTの枠組みを実現する研究をしています。
また、この研究の成果を使ってフランスなどの海外の研究者の方々と一緒に、離れた場所でも一緒にいるような感覚でミーティングができるシステムの提案と開発をしています。

この記事を読んでいるアナタへのメッセージ

インターネットと人工知能の関連技術の成熟により、新たな社会が作られている今だからこそ、新たなメディアが創造され、可能性が大きく広がっています。

そんな時代の中で、大学での学びは皆さんに今まで以上の気づきと広い視野を与えてくれるでしょう。そして、学生生活はさまざまな可能性への挑戦ができる大きな機会です。ぜひ、メディア学部で新しい挑戦を行っていきましょう! 皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

プロフィール

氏名 顧 優輝(KAERI Yuki)
職位/担当分野 助教/分野なし
専門 情報科学、人工知能、マルチエージェントシステム、CSCW
担当予定授業 なし
所属学会
  • 情報処理学会
  • IEEE(米国電気電子学会)
研究内容
  • Internet-of-Thingsのためのエージェントプラットフォームの開発とその応用
  • コンピュータ支援による遠隔コラボレーション
主な著書・論文
  • “Synchronous interaction for supporting remote multilingual brainstorming”, In 2014 IEEE 18th International Conference on Computer Supported Cooperative Work in Design (CSCWD), pp.135–139, 2014 (共著).
  • “An application of an agent space connecting real space and digital space”, In 2014 IEEE 13th International Conference on Cognitive
    Informatics and Cognitive Computing (ICCI*CC), pp.230–235, 2014 (共著).
  • “Awareness of human activities by detecting state change of room equipment”, In 2014 IEEE 6th International Conference on Awareness
    Science and Technology (iCAST), pp.1–7, 2014 (共著).
  • “Distributed Architecture for Supporting Collaboration”, OTM Workshops 2015, pp.391–400, 2015 (共著).
  • “Prototyping a meeting support system using ubiquitous agents”, In 2015 IEEE 19th International Conference on Computer Supported
    Cooperative Work in Design (CSCWD), pp.18–23, 2015 (共著).
  • “A support system for remote brainstorming sessions”, In 2015 IEEE 14th International Conference on Cognitive Informatics & Cognitive Computing (ICCI*CC), pp.303–308, 2015 (共著).
  • “ユビキタスデバイスとデジタルリソースを論理エージェントに接続するためのエージェントプラットフォームの開発”, 情報処理学会論文誌, Vol.56, No.1, pp.284–294, 2015 (共著).
  • “Capitalization of remote collaborative brainstorming activities”, Computer Standards & Interfaces, Vol.48, pp.217–224, 2016 (共著).
  • “An IoT Application Connecting Edge Resources and Cloud Resources using Agents”, International Journal of Energy, Information and
    Communications (IJEIC), Vol.8, Issue.1, pp.1-14, 2017 (共著).
  • “Agent-based System Architecture Supporting Remote Collaboration via an Internet of Multimedia Things Approach”, IEEE Access, 2018 (共著).